2009/09/04
MTVの『THE BEATLES: ROCK BAND』の発売まであと2週間に迫った今、MTV NETWORKS MUSIC GROUPで電子ゲームおよび音楽担当の上級副社長を務めるPAUL DEGOOYERは疲労のピークに達している。彼は2007年以降、ニューヨーク、ボストン、ロサンゼルス、ロンドンと飛び回り、このプロジェクトのため奔走。健在する元THE BEATLESのメンバーPAUL McCARTNEYとRINGO STARRに加え、未亡人であるYOKO ONO LENNONとOLIVIA HARRISONとの話し合い、そして楽曲使用にあたってSONY/ATVおよびEMI MUSICとの数々のライセンス交渉を行ってきたからだ。
「このプロジェクトは、THE BEATLESの音楽を単にゲームにするというものではなく、彼らの音楽をユーザーが一緒にプレイするという画期的な作品だ」とDeGOOYER自身も語っているように、MTVのゲーム開発を手掛けるHARMONIX、EMI、SONY/ATV、そしてTHE BESTLESの残された2人のメンバーと家族のあいだで行われた粘り強い交渉は、結果的に苦労とフラストレーションを払拭するほどの“ビデオ・ゲームの枠を遥かに越えた作品”へとつながったようだ。
2年前、この企画のコンセプトをTHE BEATLESの2人および遺族に打診した際、彼らからはバンドのすべてのキャリアを網羅する形で楽曲を使用してほしいという依頼があったという。しかし初期のレコーディング作品に関しては、サウンド処理において非常に難しい問題があり頭の痛い課題だったという。たとえば「TAXMAN」という楽曲ではドラムとギターが同時にレコーディングされているが、今回のゲームではそれぞれの楽器の音を分離しなければならなかったからだ。そんなわけで、初期の楽曲に関して各楽器の音をどうやって別ファイルに落とし込むか、その方法の模索が最初の関門となったという。
そんな高いハードルを乗り越えて完成した作品には全45曲が収録され、THE BEATLESのプロデューサーだったGEORGE MARTINの息子GILES MARTINも参加した質の高いゲームに仕上がったようだ。メンバー4人は、その目、髪、動きに至るまで驚くほど綿密にアニメ化され、リヴァプールのCAVERN CLUBやニューヨークのSHEA STADIUMでのライヴの様子なども詳細に再現されているという。
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